債務整理は3つの方法があり、貸金業者と直接交渉する任意整理、裁判所に申し立てが必要な個人再生、自己破産の方法があります。
任意整理は双方の合意に基づき、借金の減額及び返済を進める手続きで債務整理手続きの中で最も利用されています。
今回は、任意整理の流れについて解説していきます。
任意整理を始めるには、まず弁護士に相談し、弁護士と債務整理手続きを委任契約します。
これを受任といい、弁護士が受任すると、だいたい3日以内に債権者宛に受任通知書を発送します。
受任通知をもって支払いの督促がストップし、借金の返済も和解成立まで一旦停止します。
弁護士は、債権者に受任通知を送付するとともに、取引履歴の開示を請求します。
各債権者への債務額を確定させ、その債務額に基づき、引き直し計算します。
2008年以前に消費者金融や信販会社から借り入れしている人は、利息制限法に定められた上限利息を超えた利息となっている場合があります。
利息が上限を超えている場合は、正しい利息で再計算し、超過した支払った利息は債務の元本に組み入れて返済するか、過払い金返還請求して、その利息分の返還を請求します。
引き直し計算で確定した債務総額をもとに、弁護士が和解案を作成します。
和解案は、債務総額と収入を考慮した借金返済計画となります。
弁護士は、和解案を作成すると、債権者に提示し、交渉していきます。
この和解案は、債務者の事情を最大限考慮したものですので、和解案の通りに交渉がまとまるのは少なく、弁護士の交渉力が必要となります。
和解案ではだいたい返済期間は3~5年で、将来の利息はカットするものが多いようです。
なお、和解案に法的拘束力はなく、債権者の同意が得られなければ、認められません。
実際に、和解をもとに依頼者が借金を返済していくことになりますので、弁護士に和解案の内容をよく確認した上で、自分でも家計の見直しをし、必ず返済できるようにしていきましょう。
債権者との間で和解案の合意がなされると、和解成立となります。
和解成立にあたっては、債権者側が和解書を作成します。
会社やグループの方針で和解に応じない業者や明らかに返済能力がないなどと債権者側が判断した場合以外は、和解に応じる業者は多いようです。
和解書に基づき、債務者が実際に借金を返済していきます。
借金の返済は、決められた期日に決められた金額を必ず返済しましょう。
借金を完済すると、任意整理手続きは完了となります。
任意整理は、債務者の返済能力に応じた無理のない借金の整理方法です。
しかし、債務額の確定、利息の再計算、貸金業者との交渉など専門的な知識や業者との高度な交渉力が要求されます。
そのため、一般市民が自分で任意整理するのは難しく、弁護士に依頼するのをおすすめします。
債務整理を検討している方は、加藤寛之法律事務所にご相談下さい。